ちょう

ちょう
I
ちょう
[テフ](連語)
〔助詞「と」に動詞「いふ」の付いた「といふ」の転〕
…という。

「しのぶれば苦しきものを人知れず思ふ~ことたれにかたらむ/古今(恋一)」

〔中古の和歌に多く用いられ, 終止形・連体形の用法がある。 さらに, 已然形・命令形としてのものに「てへ」があり, その連語形には「てへり」「てへれば」「ていれば」がある〕
てえ
II
ちょう【丁】
※一※ (名)
(1)ばくちで, さいころの目の偶数。 また, 一般に偶数。
(2)書籍の表裏二ページ分の紙葉。 また, 折り丁の一折分をもいう。
(3)「てい(丁){(3)}」に同じ。
(4)(「長」とも書く)まるまる。 ちょうど。

「わしは戌で~六十/浄瑠璃・鑓の権三(上)」

※二※ (接尾)
助数詞。
(1)和綴(ト)じの書物の枚葉を数えるのに用いる。 表裏合わせて一丁という。
(2)豆腐を数えるのに用いる。
(3)料理・飲食物の一人前を単位として数えるのに用いる。

「もり一~」「カレーライス三~」

(4)相撲・将棋など, 勝負の取組, 手合わせなどの回数を数えるのに用いる。
III
ちょう【兆】
(1)〔古代, 占いの時に亀甲を焼いてできる裂け目の形をいったことから〕
物事の起こる前ぶれ。 きざし。 兆候。

「不穏の~」

(2)数の単位。 一億の一万倍の数。
〔古く中国で「億」の十倍を「兆」としたこともあった〕
IV
ちょう【寵】
特別にかわいがられること。 気に入られること。 めぐみ。 いつくしみ。

「~を得る」「天子の~を一身に集める」

V
ちょう【帳】
(1)布帛(フハク)をはりめぐらしたもの。 帳台・几帳(キチヨウ)などの類。 とばり。 たれぎぬ。 カーテン。
(2)帳面。 帳簿。

「~付け」

VI
ちょう【庁】
(1)内閣総理府または各省の外局として設置される行政機関の一。 防衛庁・経済企画庁・文化庁など。
(2)一般に, 行政事務を扱う役所・行政機関。 都道府県庁・警視庁・東京消防庁など。
(3)「検非違使庁(ケビイシチヨウ)」の略。

「~の前に(罪人ヲ)引き出して, 衣裳をはぎとり/保元(中)」

(4)院の政所。

「院の下部ども, ~の召次所, なにかの隈まで/源氏(柏木)」

VII
ちょう【張】
※一※ (名)
二十八宿の一。 南方の星宿。 張星。 ちりこぼし。
※二※ (接尾)
助数詞。
(1)弓や琴など, 弦・絃を張ったものを数えるのに用いる。

「弓二~」

(2)幕・蚊帳(カヤ)など, 張りめぐらすものを数えるのに用いる。

「蚊帳一~」

(3)紙や皮などを数えるのに用いる。
VIII
ちょう【徴】
(1)よびだすこと。 召し出すこと。

「~に応ずる」

(2)事のおこる前触れ。 きざし。

「天候激変の~」

(3)供出させること。 とりたて。
IX
ちょう【挺・梃・丁】
助数詞。
(1)鋤(スキ)・鍬(クワ)・墨・銃・艪(ロ)・三味線など細長いものを数えるのに用いる。
(2)駕籠(カゴ)・人力車など, 乗り物を数えるのに用いる。
〔「丁」は代用字〕
X
ちょう【朝】
(1)あさ。 あした。
(2)天子が政治を行う所。 朝廷。
(3)天子が統治していること。 また, その国。

「~の政をつかさどり給ひしより/平家 2」

(4)にぎやかな所。 市中。

「かだましきもの~にあつて罪ををかす/平家 6」

XI
ちょう【牒】
(1)文書を書きしるした薄い木の札。 簡札。
(2)律令制の公文書の一様式。 主典(サカン)以上の官人から官司に上申する文書。 また, 寺社など官司でない所と官司との間の文書や直属関係にない官司の間の文書などにも広く用いられた。
XII
ちょう【町】
(1)(「丁」とも書く)距離の単位。 条里制では, 一町は六尺を一歩とする六〇歩であったが, 太閤検地の際六尺三寸を一間とする六〇間となり, その後六尺を一間とする六〇間となった。 メートル条約加入後, 1891年(明治24)1.2キロメートルを一一町と定め, 一町は約109.09メートルとなった。
(2)土地面積の単位。 条里制では一辺の長さが一町の正方形の面積。 中世, 一町は三六〇〇歩であったが, 太閤検地の際, 三〇〇〇歩となった。 メートル条約加入後, 1891年に, 120ヘクタールを一二一町と定め, 一町は約0.99ヘクタールとなった。 一町は一〇段, 三〇〇〇坪。 町歩。
(3)地方公共団体の一。 市と村の中間に位し, 都道府県に属する。 まち。
(4)平城京・平安京における街区一辺の長さおよびその一区画の面積。 四〇〇尺, および四〇〇尺平方。
(5)「御町(オチヨウ)」に同じ。 江戸吉原のこと。
XIII
ちょう【疔】
癤(セツ)の俗称。 顔面にできたものを面疔(メンチヨウ)という。
XIV
ちょう【腸】
消化器官の一。 胃の幽門に続き, 腹腔内を屈曲して肛門に至る。 小腸と大腸から成り, 小腸は十二指腸・空腸・回腸に, 大腸は盲腸・結腸・直腸に区分される。 食物の消化・吸収・排泄を行う。 腸管。
XV
ちょう【蝶】
(1)鱗翅目アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科に属する昆虫の総称。 体は細長く, はねは葉状で二対あり鱗粉(リンプン)と鱗毛で美しく彩られる。 頭部には棍棒状の触角, 一対の複眼と単眼, 花の蜜を吸うに適したぜんまい状の口器がある。 多くは昼間活動し, ものに止まるときは垂直にはねを立てる。 幼虫は芋虫・青虫・毛虫と呼ばれ草木を食うが, やがて蛹(サナギ)となりさらに成虫になる。 多くは繭を作らない。 日本には約二六〇種が知られる。 蝶類。 胡蝶。 蝶々。 ちょうちょ。 ﹝季﹞春。 《山国の~を荒しと思はずや/虚子》
(2)家紋の一。 蝶を種々にかたどったもの。 古くは蚕の蛾をいう。
~よ花よ
子を非常に愛しかわいがるさま。

「~と育てられる」

XVI
ちょう【調】
(1)律令制の租税の一。 大化の改新の際, 田の調と戸ごとの調を定めたが, 大宝令・養老令では唐制にならって男子のみに負担を限り, 絹・絁(アシギヌ)・糸・綿・鉄・魚介類など諸国の産物を中央に納めさせた。 九~一〇世紀に崩壊。 みつぎ。
(2)(ア)絶対音高をもつ主音を中心として一定の機能を備えた諸音の体系を指す用語。 代表的なものとしては西洋音楽の調体系や, 中国音楽の宮・商・角・徴・羽などの五声や七声を主音とする体系がある。 しばしば旋法と混同して用いられる。 (イ)音階の主音の高さを指定する用語。

「ハ~からト~へ転調する」

(3)名詞の下に付いて, そのようなリズム・スタイル・雰囲気であることを表す。

「七五~」「万葉~」「ロック~の音楽」

XVII
ちょう【貼】
助数詞。 調合して包んだ薬などを数えるのに用いる。

「当帰連翹飲(トウキレンギヨウイン)(=薬名)などを, 二三~進じましたいと/浮世草子・色三味線」

XVIII
ちょう【超】
※一※ (名)
数字の下に付いて, ある数値を超える意を表す。

「一万円~(一万円ヨリ多イ)」「60キログラム~」

※二※ (接頭)
※一※名詞に付く。
(1)程度が特に極端なものである意を表す。

「~満員」「~高層ビル」「~弩級(ドキユウ)」

(2)あるものから極端に逸脱している意を表す。

「~現実主義」「~心理学」

※二※動詞・形容詞・形容動詞などにつけて, 程度がはなはだしいさまを強調する現代の若者言葉。 すごく。 とても。

「~むかつく」「~うまい」

XIX
ちょう【趙】
中国, 戦国七雄の一((前403-前222))。 晋の有力世族趙氏が韓氏・魏氏とともに晋の領地を三分して諸侯となり成立。 山西省北半から河北省東南部を領有, 武霊王の時最盛期を迎えたが, 秦に滅ぼされた。
XX
ちょう【金魚蝨・魚蝨】
甲殻綱鰓尾(サイビ)目チョウ科に属する節足動物の総称。 淡水魚の寄生虫。 体長5ミリメートル内外で楕円形。 吸盤で魚の体表に付着し, 刺針を刺して毒液を注入し, 吻(フン)で体液を吸う。
XXI
ちょう【長】
(1)集団の最高の地位にある人。 かしら。

「一家の~」「人の~たる器(ウツワ)」

(2)すぐれていること。
「一日(イチジツ)の~がある」

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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